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看護ケアに何故『脳画像』が必要となるのか?
皆様は普段の病棟ケアにおいて、担当患者さんの病態を理解していますか?
もちろん脳卒中患者さんで、その方が脳梗塞なのか、脳出血なのかといった診断名の把握は必ずしているとは思います。
じゃあ、同じ診断名である視床出血を例にとってみても、実は一人として全く症状が一緒というケースはなく、それぞれ出てくる症状も違えば、病棟でみられる問題点も異なるといったケースを担当するのはよくあることだと思います。
そういった時に、診断名だけでは判断できない脳卒中の方をみるケアのポイントが大きく異なってきます。
じゃあ、そのそれぞれ病態が異なる患者さんに対して、どうやって個別性を見極めるかとなると、大切になってくるのが、脳画像をみるということになります。
つまり大事なことは、何故看護ケアにおいて脳画像をみる必要性があるかということで、それには
患者さんの個別性を判断し、それぞれに合った適切なケアを提供する上では必要不可欠なもの
になってくるのです!
看護ケアに活かす『脳画像』をみるときの注意点
脳画像をみるときに一番に困るのが、その圧倒的な量の多さ!!
CTだったり、MRIだったり、それぞれのスライスレベルに至るまで、まずこの沢山の画像の中から何を、どこに着目して、脳画像をみれば良いのかがわからないことが多くはないでしょうか?
普段の病棟ケアにおいて脳画像ってみますか?
忙しくて、目の前の患者さんをみるのに必死であまり見る機会がないです。(新人看護師)
正直何をみたら良いのかがわかりません。(3年目看護師)
みても、そこから何を考えれば良いかいまいちわからなくて・・・。(10年目看護師)
などなど、そんな話を臨床現場ではよく聞きます。
確かに、看護師さんはリハビリの担当制とは違い、毎回部屋持ちなどでみる患者さんは異なるし、担当ケースがいたとしても毎日同じようにケアにはいることなんて、ICUなどじゃない限りほとんどないのが実際だと思います。
そんな状況の中、脳画像を一人一人チェックして、病棟ケアに取り掛かるってまあ大変だし、それこそ朝どれだけ早い時間に出勤して事前に情報を仕入れないといけないのかって話になりますよね。
その上、もし画像をみてみようってなっても、その数に圧倒されて、一枚一枚脳画像をみていってたら本当にキリがないです。
そうなったら、患者さんをみる前にもう疲れてしまいますね・・・。
そんな悩みをもつ看護師さんは多いのではないでしょうか?
脳画像をみることが大事なのはわかるけど、じゃあどうすればそういったことも解消できて、且つよりよい看護ケアに結び付けられるかを考えた時に、大切になってくるのが脳画像をみるコツになるのです。
そんなのみるのにコツなんてあるの?って疑問に思われるかもしれませんが、そのコツがちゃんとあるんです!!
看護ケアに活かす『脳画像』をみるためのコツとは?
では実際に脳画像をみるためのコツになるのですが、それにはまずはベースとなる疾患名を知ることが重要になってきます。
診断名ってDrが処方するやつですよね?
もちろんその通りです!
診断名を知ることで何がわかるかというと、まずはCTやMRIなど沢山の脳画像の種類がある中から、どれをみれば良いのかをある程度絞る必要があります。
えっ、疾患によってみるべき「脳画像の種類」って違うんですか?そう思った方々のためにまずは初歩的な見方ついて説明していきます。
脳卒中には、大きく分けて3分類に大別されます。
1.脳梗塞、2.脳出血、3.クモ膜下出血
1.脳梗塞
脳梗塞はその名の通り、血管が梗塞(詰まった)ことによる障害で、その中にも血管の詰まり具合や原因によってタイプ分類されています。
2.脳出血
脳出血は、血管が破れることによる障害で、出血量や血腫の広がりで同じ疾患名(例えば視床出血でも、麻痺がでるorでないケースや意識レベルの低下が異なることなど)でも症状の違いが見受けられます。
3.クモ膜下出血
クモ膜下出血は、脳実質の障害ではなく、その脳を覆う髄膜のうち、「クモ膜下腔」内に出血が生じ、脳全体を包み込むように存在する脳脊髄液の中に血液が混入した状態を指します。
この中でも、脳画像を分けるポイントは梗塞か出血の2つのタイプを知ることが大事になってきます。
大事なことは脳の疾患を知り、それに応じた脳画像を選択する事です。
看護ケアに活かす『脳画像』をみるためのまとめ
- 患者さんの個別性を知り、その方に応じたケアの方法を判断するのに役立つ
- 脳画像をみるには、まずは疾患名を把握する
- 疾患に応じた適切な脳画像の選択が重要
次回は、具体的な脳の疾患によってみるべき脳画像についてまとめていきたいと思います。